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共謀罪は世界標準というネトウヨ言説の浅はかさについて [雑感]

共謀罪とTOC条約条約批准の関係で、
「共謀罪は世界標準で、この法律を持っていないのは日本を含む11カ国だけ」という
ネトウヨ言説と、ケナタッチ特別報告者の書簡について。

備忘録としてまとめ。

写真は法務省のHPにある、各国の対応というPDFだ。
こんなザックリしたものを見せられて、一層不安になる。
日本の法務省は大丈夫なのかと・・・

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一般に法体系には英米法と大陸法の二つの体系がある。
共謀罪は英米法体系の国に存在し、大陸法体系の国には存在しない。

TOC条約批准のために
新たに共謀罪を新設した国は187カ国中ノルウェーとブルガリアだけである。
英国と米国はもともと国内にあった法律の「共謀罪」で対応。
フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、中国、韓国は「参加罪」で対応。
カナダはすでに「共謀罪」があったが、条約の締結に向けて新たに「参加罪」も設けた。
野党が187カ国・地域の一覧表を出すよう求めたが、
外務省の担当者は会議で「政府としては納得のいく精査をしたものしか出せない。
自信を持って説明できる国は限られている」と述べた。

法律は各国の法体系の中で議論して初めて意味がある。
「銃を持っているだけで犯罪になる国」と、「銃を持つ権利が保障されている国」とでは
法体系自体が異なるのは当然。
たとえばイギリスの刑事法と、中国や北朝鮮のような国の刑事法が同じであるはずもない。
また、取り調べの可視化など、人権を守る措置が行き届いた北欧の国と、
全く整備されていない極東の島国が同じで良いはずがないではないか。
問題となっているのは、日本の法体系の中での共謀罪である。

テロ防止に関わる主要13条約を全てを批准し終え、
予備罪も含め、世界的にも早い段階から
犯罪に対して予防的な措置を施している日本の法体系の中で
さらに必要な部分は何処かを議論しなければならないのだが・・・。

国会審議の中では、「一般人」の定義や「キノコ」「花見」ばかりが
マスメディアで取り上げられているが、
各国の法整備を参考にした文言規定の質問なども行われている。
議論が深まらなかったのは、やはり政府側の答弁に問題があった。

そもそも条約締結に、共謀罪か参加罪のどちらかが必要というのは、
立法ガイドの誤訳に基づいており、
正確に訳せば、日本は法体系的にどちらも不必要というのが、
刑事法学者多数の見解である。

ケナタッチは日本の法体系の中で、現政権が成立を急ぐ法案の内容に対して、
日本が批准したICCPRに抵触する可能性など、その問題点を具体的に指摘して問うている。
「多くの国で共謀罪があるから日本も作ろう」という、
外形的で抽象的なレベルの話はしていない。

これに対する日本政府の反論は、
他国でも共謀罪があるではないかというレベルであり、
それはスピード違反で捕まった運転手が「他のクルマもスピード出してるだろ」
という反論と同レベルでしかない。

ケナタッチ氏は、公開質問状とした理由も述べているし、
「要請があれば、国際法秩序と適合するように、
日本の現在審議中の法案及びその他の既存の法律を改善するために、
日本政府を支援するための専門知識と助言を提供することを
慎んでお請け致します。」とまで言及している。

共謀罪は世界標準と嘯く日本政府。
世界標準の人権に配慮した法律を自身で作れないのなら、
子供のような反論をせずに、
素直にケナタッチ氏に協力を求めればよかったのだろう。

GWのガーラ&かぐら滑り納め & KEI-SKI 2018モデル試乗会 [スキー]

5月3日〜5日に滑り納めスキー旅行に行ってきた。

4月に傷めた腰が、完治しそうでしてない状況。
無理しなければ何とか・・・という感じ。

ガーラの券をを無駄にしたくないなぁと思いつつ
この数週間ウェブカメラをチェックしていると、
今年は積雪が多くて、間もなくGWだというのに、まだまだ出来そう。

矢も楯もたまらず、いつもの滑り納め合宿の前半に一泊追加して
ガーラ行きを決めた。

先輩も休みが取れるというので、
宿は湯沢近辺で、一週間前前には空きがあり
素泊まり専門(?)の温泉民宿を予約して
おっさん二人旅でGO。

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ガーラは、やはり例年よりも積雪が多く
コンディションとしては4月の中旬くらいか。
それでも、気温は高くなるので、
コンディションをキープするのは大変だろうと思う。

毎回思うのだが、ガーラと言えば交通の利便性ばかりがクローズアップされるが
実はガーラの圧雪隊はスゴイのではないか。
他の春スキー営業をしているスキー場より、あきらかに標高が低いにも関わらず
午前中であればスピードに乗ったロングターンも可能なコンディションを
常に整えてくれる。
手間も人手もお金もかかる割に、どうしても重くなる春の雪で
なかなか評価されにくい圧雪作業。
いやいやいや、このご時世に、とっても頑張ってくれていると思う。

積雪があっても、様々な理由で営業を続けられないスキー場が多い。
経営母体の体力勝負の所もあるのだろうけど、
実際に汗を流してくれてる人達には、スキーヤーとして敬意を表さずにはいられない。

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グルノーブルではリズミカルで奇麗なコブが並んでいた。
このコブはよいね。
リハビリをかねた滑りでは良い練習が出来た。
溝コブラインは難しいが、お椀コブに縦めに入れば
それほど腰に負担をかけずに、そこそこ深めのコブも出来る事がわかった。
どうやら上下動前後動では痛みがないが、左右へのヒネリ運動に若干の痛みが残り
あまり外向形をつくらない方がよいようだ。

軽めに滑った後、湯沢の宿に入った。


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温泉街に流れる川が、なかなかの風情。

食事はGWという事で、どのお店も激混みだった。
「保よし」というお店に入って、注文して3分もせずに出てきたカツ丼。
味付はよかったが、カツが揚げたてでなく、肉も脂っ気がなくてガッカリだった。
かじか酒は初めて飲んだけど、なかなかだった。
地元では有名なお店らしいけど、リピートはしないな。

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二日目以降はかぐらでスキー。

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ロープウェイでみつまたエリアに上がると
新緑と雪のコントラストが綺麗だ。
この時期ならでは。

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ガーラほどガンガンに圧雪しないので、あっという間に斜面が荒れる。

でも、さすがに雪の色が白い。
これが本来の雪だよなって感じ。

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例によって鯉のぼりが青空に気持ちよく泳いでいる。
気持ちいいね〜。

今シーズンはケイスキーの試乗会にも参加できた。

EZO 85 PowerFlex
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初登場のニューモデルらしい。

この板には衝撃を受けた。
今シーズン、オールシチュエーション系と春スキー用のデモセカンドモデルを中心に
けっこう試乗してきたけれど、コレはダントツ。
コレはスゴイよ。
いや〜、コレは欲しい。。。
あんまり良かったんで、ちょっと長めのコメントになります。

●履いた感じが軽い(良い意味で)。
●柔らかくて良く撓み、かつ強さもあわせ持つ。
●反発が絶妙。
●エッジの捉えが速くてシャープ。
●デモモデルと同等以上の切り替えの速さ&スムーズさ。
●履いていて疲れないし、操作性が良いので、2級くらいから
その性能を満喫でき、エキスパートまで楽しめる懐の深さがある。

センター幅が85ミリということを差っ引いても、このスキーは良い。
というか、履いていると、85ミリという事は完全に忘れてしまう。

滑り出しのスケーティングから、スイングウェイトの軽さを感じる事ができる。

整地では、トップの捉えが速く、谷回りを作りやすい。
テールのヌケがすごく良くて、スピードに乗ったロングターンが可能だ。
自分レベルではショートターンは縦長のラインになるが、
テクニカル以上のレベルの人ならば、綺麗な円を描けるだろう。

シャープにエッジを使えるので、内傾角を積極的に出す滑りが気持ちよいが
浮力を利用した、面を使った滑りもコレまた大得意で、
この一本で、様々な滑りのバリエーションを手に入れられる。

コブでは、板が撓み、反発するのを足裏で感じることが出来る。
この反発が絶妙で、マッタリせずに、かつ発射もせずにコブを滑りきることができる。
85ミリ幅にもかかわらず、クローズスタンスを取りやすいので溝コブも入れる。
浅いラインしか入らなかったが、溝ラインではテールヌケの良さが、
コントロールを助けてくれて、リカバリーもしやすかった。

エッジングの自在さに加え、
撓みと反発のバランスが、このスキーのキモと見た。
脚力の弱い人には弱いなりにシッカリと撓み、
強い人にはそれに応じた強めの反発が返ってくる。
なぜ、そんな事が可能なのか・・・。
そこは企業秘密らしい。

でも、それゆえ85ミリ幅にもかかわらず、デモスキーのトップ機種レベルの
切り替えの機敏さを獲得してるという事だろう。

いや〜、海外でメインストリームのオールシチュエーションカテゴリー、
ここ数年の進化は本当にすさまじい。
最近の僕のお気に入り、K2のiKonic 80ti、AtomicのVantage X80 CTI、
すんごく良いスキーだけど、どちらも一長一短があった。
そんな中で、ついに全部をカバーしてしまった感があるEZO85。

VolklのSWの使い勝手の良さを、センター幅85のスキーで実現してしまった感がある。

コスメもオリジナルにカスタマイズできるし、
これはマジ欲しい。


ARX13
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小回りデモモデル。

軽快で、切り替えが楽しい。
履いた感じも軽くて、疲れない。
エッジ感覚はシャープでキビキビと動いてくれる。
スピードを出してもバタバタしない。
少し山回りに切り上がりすぎる感じがあり、
ロングターンは詰まり気味になるかも。


ARX15
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大回りデモモデル。

履いた感じは軽いが、かなりシッカリ感がある。
短いサイズしか残ってなかったからか、
堅くて上手く撓ませられなかった。
ハイシーズンの整地なら撓ませられるかな。。。
コブでは直線的に入っても、全然しならずに突破していく。
乗れないことはないが、僕レベルでは一日乗っていると疲れてしまう。
脚力の強い人かテクニカル以上の人向け。
気になったのはカラカラ音。ケイスキーでカラカラ音は初めての経験。
この音はいただけない。
気にならない人もいるらしいが、僕はダメだ。


EZO85を履いた後なので、いつも履きやすくて楽しめるARXが
難しい板に感じてしまったかもしれない。
もし、ケイスキーに試乗する機会がある人は
EZO85の前にARXに乗っておいた方が良いかも。

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午後ともなると山全体が不整地コブと化すかぐら。

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腰痛のため、5ロマもテクニカルも行けずじまいで
今シーズンは終わってしまった。

来シーズンは、もっと春コブを楽しみたいな。

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これにて17-18シーズンのスキーはおしまい。

もうしばらくして、腰の痛みがとれたら、
サーフィンを再開したい。